女性専用車両も?日本では男性より女性の方が優遇されてる?
- Asuka Someya
- 3月20日
- 読了時間: 3分
更新日:5月30日

SNSや普段の会話などで、女性専用車両や大学入試の「女子枠」、レディースデーなどを例に挙げて「男性より女性のほうが優遇されている」という意見を目にしたことがありませんか?
これらの例は、女性優遇にあたるのでしょうか?
それぞれの取り組みが行われている目的や背景を考えてみましょう。
女性専用車両は「女性優遇」?
東京都が令和5年度に行った調査によると、電車内・駅構内における痴漢被害経験は、男性は7.8%、女性の41.1%で、女性の方が経験した人の割合が高くなっています。
そのため、女性専用車両は痴漢防止対策の一貫として行われています。
その一方で、性別にかかわらず被害にあう人もいて、特に男性の方は言い出しづらいと感じる人が多いかもしれません。
痴漢防止対策として、女性専用車両だけではなく、監視カメラの設置などの他の対策も進めている企業もあります。
「女子枠」は「女性優遇」?
学校の入試などでの「女子枠」は、女子の入学者を増やすため、理工系学部を中心に導入が進んでいます。
日本では理工系学部に進学する女性の割合が低く、その背景の一つに「女子は数学が苦手」などといった性別による偏見が指摘されています。
こうした差別や不平等を是正するために、不利な立場に置かれる集団に一定の機会を提供する取り組みは、アファーマティブアクション(積極的差別是正措置)とも呼ばれています。
アファーマティブアクションは、アメリカで1960年代に始まり、性別だけではなく、人種・肌の色・宗教・国籍などに基づく差別を禁止とし、差別が認められた場合、裁判所は是正するためのアファーマティブアクションを命じることができるようになり、入試や採用において、取り入れられてきました。
日本においても、「男女共同参画」の観点から、2003年に「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度となるよう期待する」と目標設定されましたが、現在でも達成に至っていない点が多くあります。
レディースデーは「女性優遇」?
レディースデーや女性限定の割引となる商品・サービスに不公平を感じる人もいるかもしれません。
一方で、男性と比べて女性の賃金が2~3割程度少ないという問題があります。令和6年の厚生労働省の調査によると、平均月額賃金は男性で36万3100円、女性は27万5300円で、先進国G7の中で最も男女差が大きいという結果になりました。
一方で、だからと言って「デートは男性がおごって当然」とするのは、性別による偏見の強化やデートDVにもつながることにも注意が必要です。
またこうした女性優遇・逆差別だという声が上がる背景には、男性の中にも格差があり、学業や収入面での成功しない男性を冷遇する社会的風潮の中で、より弱い立場にある女性や性的マイノリティを排除しようという動きにつながりやすい側面もあると考えられます。
このように考えると、ジェンダー平等施策は女性だけではなく、男性や性的マイノリティを含めすべての人が自分らしく生きやすい社会にもつながるものなのです。
<参考>